2006年11月08日

女性寿司職人が長門寿司の説明中













女性寿司職人が長門寿司の説明中

簡単に言うと、220年前に他県の「お偉い様」にお出しした静岡の地産地消ちらし鮨らしい

長門36万9千石毛利輝元は中国地方百十万余石の大大名であった。豊臣秀吉の配下で五大老になったが、関が原の戦いで西軍に属したことで、徳川家康から周防、長門の二国36万9千石に封じ込められた。
長州には徳川への恨みが残り、五分の一に石高を削られた長州藩は、江戸幕府のスタートから、反徳川そして尊皇思想の強い火種を抱えた藩であった。
●長州藩は中級武士が多くみな学問武芸に熱心で、藩も教育に熱心であった。しかし、これらの学問が裏目に出てか、一般的に長州藩士は議論には優れていても戦略や、薩摩藩のような高等外交は苦手であった。しかし、朝廷・公家工作の様な奇術的な謀略にかけては幕末で最も有能であり、朝廷は正に長州藩の意のままであった。長州藩士は気迫だけは溢れていて、個人戦闘や小規模の戦術では決して他の諸藩に劣るものではなかった。
●長州藩士高杉晋作は、桂小五郎、大村益次郎、伊藤博文、山縣有朋らと共に、農民や町民を中心とした奇兵隊を率いて、幕府軍を打ち破り、長州藩に敗北した幕府の力は急速に弱まった。倒幕運動に拍車がかかる。桶鮓 別名長門鮓。
●種類は五目すし(チラシ)の押し鮓である。
●五目すしの具は酢ハスに人参、椎茸、凍コンニヤク(乾燥)、たけのこ、わらび、芋茎等を甘く煮付けする。
●上置き魚は興津鯛。アマタイの天日干し(一夜干し)し、少々焼き、酢〆にする。
●酢は梅酢を使用。(酸っぱいすし)
●容器は小さく木製で、直径10cm、深さ7cmほどの竹のタガをはめた蓋付小桶で蓋を重し代わりにした。静岡市国吉田在住16代当主稲葉 広様
 談「五目すしの具は地元で収穫された野菜を使い
 現在も食べています・・・」
●東海道線が出来て田丸屋(創業明治8年・1875年)が長門鮓の桶から工夫して容器に入れた山葵漬を駅売りするようになって全国的に有名になる。東豊田郷土誌(静岡市駿河区国吉田)によれば「小吉田立場(国吉田)に「立て場」があり、中程に稲葉源右衛門の家を休憩所となし「立場本陣」と言い、諸侯参勤交代中の際、諸藩士が多数休憩し、昼食をなした所。」と記されている。
●蜀山人大田南畝の「改元紀行」(文化1年1804)に、彼が公用で長崎へ下ったおり(享和1年1801)「十七夜山千手禅寺も左の方に見ゆ土橋を渡りて立場あり。左に草薙神社の道あり、村の名も草薙と呼ぶ。小吉田の立場に至れば酒屋あり。小サキ桶に鮓を入れてひさぐ。長門鮓と言う
●大阪の豪商山片重芳が仙台へ下方の徒次、(文化10年1813)年正月に 「安倍川を渡り・・・・・小吉田の茶店に休む、此所鮓の名物にて風味よく、小桶に漬けて有り、酒も至てよし」と記してある。
●俳人内藤鳴雪がまだ11歳のおり、父に連れられていて伊予松山へ帰郷の途中(安政4年1857「小吉田で桶鮓を食べたことをよく覚えている。小さな桶に鮓を入れたのを駕籠の中入れて貰ったが、その桶が珍しかった。」と追懐している(「鳴雪自叙伝」大正11年)。よほど高名だったらしい。●吉田川にかかる土橋の辺を的場と言い、的場茶屋の稲葉屋小三郎製の桶ずしが、最も美味だとされた。
長州の殿様が賞味されたので「長門鮓」とも言われた。
●毛利藩主の好物、岩国の五目鮓の具に似ており郷愁からか参勤交代の度立ち寄り長州藩の武士も同行し賞味した。
●ロシア使節応接掛江戸凱旋記によれば五目すしに天日干し興津鯛(アマタイ)の「こけらすし」(そぎ身)がのせてある。魚は大奥興津の局がアマタイを献上し徳川家康公が興津鯛と銘々。
●明治天皇が(明治2年 1869年)「京都より東京へ
御再幸のさい、立場本陣、稲葉方で御休憩遊ばれた折御茶代頂戴」との記録がある。
●毛利 重就(もうり しげたか))長州藩の第8代藩主が商品のネーミング。
●値段は、土地の者へは24文(480円)、旅の者には32文(640円 )で売った。
発案者稲葉源右衛門家の土地は当時1町歩(3000坪)有り、600~700年前から造り酒屋の蔵元で、傍ら立場茶屋を営み、後に稲葉屋小三郎が引き継ぐ。
●府中宿と江尻宿の中間にある小吉田の立場茶屋は、古くから旅人が疲れを癒す休憩地。

●高級癒しの休息所。地元の山菜食材で名物つくり。
●桶鮓の昼食と土産、地酒飲食、小樽詰め山葵漬、新茶等旅人の楽しみを提供。
●山葵漬元祖田尻屋から「諸国の大名に国の土産」にと山葵漬の販売を委託され、長門鮓と二枚看板商品となった。
●長門鮓は珍しいい小さな容器で価値観を得る。
●土地の客には低価格で販売。上層階級と共通な食物で優越感を持たせ口コミ販売。
●長州藩士木戸孝允、高杉晋作等もこの茶屋で幕府や諸藩の情報を収集し倒幕運動に発展していった。



Posted by 日本のてっぺん~sushi~魂♪静岡寿司☆青年部ブログ at 11:44